暴力の赤ちゃん

ミルクを飲む子供

CANON S95

40代も後半になって子供をもうけた。

赤ちゃんというのは触るとプリプリしている。肉体の原料である細胞もまっさらなので張りがあり、かつ柔らかい。また、自分の子供なので当然だがかわいい。

しかし、この「かわいい」というのと「魅惑的な触感」というのは非常に危ないんじゃないかと思う。

イーッとなってくるというか、身の内がむず痒くなるというか…。

例えば子犬は可愛い。そしてふわふわしている。

可愛い+フワフワ。

これは危ない。
「触りたい」「抱きしめたい」から突然にイーッとなってきて「握りつぶしてみたい」みたいになってくる感じがある。

子犬は毛だらけなのでそれで終わるんだけど、相手が人間になると噛んでみたくなり、噛み千切ってみたくなる。

好きな女性にも同じような気持ちになることがあって、乳房などは「握りつぶしてみたい」とか「思いっきり噛んでみたい」という気持ちが湧き上がる。

もちろんこれは欲求の話で現実にはそんなことはしないし、実行したところでこの衝動が満足することはなさそうなんだけど。

今までの人生の中で少なくとも数人は同様の衝動があると認めていたのでそんなに珍しいことでもないのだろう。

ネットで調べたところ、これは「キュートアグレッション」と呼ばれるそうで、あまりに可愛すぎて脳がバグってしまうかもしれないので、バランスを保つために起こる現象なのだそうだ。

でも僕は別の仮説を持っていて、それは「相手を知る方法は破壊か愛しかない」というもの。子供が虫を破壊するのは生命の不思議を知りたいからで、人間が成熟すれば破壊よりも愛という行動によって生命の不思議を知ろうするようになっていく(普通は)。

これは学生時代に哲学の先生から聞いたもので、非常に腑に落ちた記憶がある。

かわいすぎて「その不思議を知りたくなり原初の衝動が湧き上がった」結果なのではないだろうか。あながち間違ってはいないように思う。

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